発売日
2016/06/10
AV女優
シリーズ
監督
巨根の必要性
プレステージの女優にしては、やや線の太い、エロ濃い顔立ちの藤井有彩。
他のプレステージ女優よりも透明さは劣るが、その顔の淫乱さ、だらしなさは申し分ない。
街中の女子大生の一人くらいはこういう顔をしている、くらいに凡庸的な顔でもあるが。
さてそんな彼女が今回挑戦する企画は、「48時間耐久連続巨根アクメ」シリーズ。
丸二日間かけて行われる濃厚なセックス漬けがテーマであるシリーズだ。
正直なところ、この企画は他のプレステージの特徴的で個性的な攻めた作品とは異なって、若干パンチが弱い。
確かに、女優にとって男優が巨根であるかどうかは、直接的にその刺激に関わるものかもしれない。
しかしながら、我々からしてみれば、その条件を追うことは、あまりにも現実的すぎるように思われるのだ。
我々がAVに求めている要素は、現実のセックスとは違う。
もちろん本当の絡みにおいて、巨根は手っ取り早く女を満足させられるかもしれない。
しかし、AVにおいては、ちんこがデカいだの小さいだの、些細な差異による、彼女たちの微々たる反応ごときを気にしている場合ではない。
AVだからこそ、非現実的な手段に頼って、彼女たちをイかせるべきだ。
むしろ、もっと我々の解釈を誘う、知的で認識論的な、性癖と欲望を満たす危機的な要素をこそ追う必要がある。
残念だが、本作もこのシリーズの他の作品の例にもれず、プレステージ的なマニアックな要素はほとんど認められない作品であった。
この時点において、我々の評価は藤井有彩の魅力のみによる、星ふたつくらいが妥当であった。
(イラマチオされているときの彼女のブサイクな顔は、本作の企画を超えて、堪らなく下衆で卑猥だが。)
突発的なドキュメンタリーセックス
しかしながら、3シーン目のローションプレイの絡みにおいて、これぞAVである危機的でクリティカルな演出が存在した。
そもそもこの3シーン目の入りは、前シーンの寝起き強行セックスの演出に腹をたてた彼女の、ピリついた空気からはじまる。
この時点で、単なる予定調和的な他のシーンとは一線を画する、予想外の危うい展開を彷彿とさせる。
余談ではあるが、彼女の怒りによる品のない素行は、悪く言えば、育ちの悪さが際立って、なにかSMのポテンシャルを感じさせる。
今後はこの品性のなさを売りにして、ハードな企画に挑戦してもらいたい。
さて、監督の演出に怒りを露わにする彼女であったが、男優たちの説得と愛撫によって、なんとか予定通りのローションプレイを行うことができる。
彼女自身にもそれなりの笑顔と悦に浸った表情が蘇る。
そんな最中、突如現場のハプニングによって、照明機器の電源が落ちる。
撮影は中断、現場はトラブル対応に騒然となる。
突然のカットに、彼女も完全に仕事オフモードとなるが、彼女のこの日のおかしな機嫌に気を使った男優は立ち待ちを兼ねて、激しいセックスを再開する。
照明器具の復旧に尽力するスタッフたちの大呼と、この日最も気持ちの高まった彼女の喘ぎ声が同次元にこだまする。
作業環境と性行為のオーバーラップ、非日常的な対立、有り得ない、しかし想像可能だからこそ有り得るセックス。
AVは、性の有りえなさの、有り得る可能性を開示する、有限で無限のスペクタクルだ。
冴えない本作に、突如危機的な状況として現れたハプニングは、AVのエロティシズムを一撃で際立たせる。
そして、なおかつ、このハプニングを好転に変えるのは我々だけではない。
彼女自身もまた、その非日常さに、怒りの感情を吹き飛ばす欲情的なセックスに身を委ねられるのである。
その後の彼女は、ぶちまけられたどろどろのローションと波長をともにし、身も心も、快楽のスパイラルに骨抜かれ、弛緩したエロすぎる表情のままイキまくる。
このハプニングが演出であるかどうかは重要ではない。
そもそも、AVは徹頭徹尾つくりものだ。
それでもなお我々は、誤解を恐れずに言えば、この「トラブル」と、それをエロティシズムの力動へと巧みに交換した彼女を絶賛する。
【シーン1】 |
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目隠し、粗チンと巨根の反応の変化、巨根アクメ、正常位顔射セックス、お掃除フェラ |
【シーン2】 |
監禁、寝起き即セックス、定点カメラ、不機嫌プレイ、正常位顔射セックス、お掃除フェラ |
【シーン3】 |
ブチギレ、不機嫌プレイ、ローション、3Pフェラ、イラマチオ、正常位顔射セックス、お掃除フェラ |
【シーン4】 |
連続セックス、正常位顔射セックス、お掃除フェラ |
評価 | ★★☆☆☆ |
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